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仏壇 |
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文昌寺 副住職 大澤 邦裕芳 |
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よく聞く話ですが、「うちは分家で、まだ仏さんがいないから仏壇は無いです。」とおっしゃる方がおります。しかし、葬儀をだしたことがない家でも、私達にはご先祖がたくさんおられます。本家を相続された方がご先祖を護るものと思われがちですが、本家分家同様に各自の家でご先祖をお護りするべきではないでしょうか。各霊の位牌がなくても「○○家先祖代々」というご先祖の位牌をおまつりするのです。
しかし、ご先祖の位牌があってもご本尊さまがおまつりされてなければ、仏壇とはいえないわけです。仏壇というと、ご先祖の位牌(御霊)をおまつりする所と、心得ている方が殆どであるとおもいます。 |
しかしながら、位牌をおまつりするだけであれば、ただの御霊壇であります。お仏壇というからには位牌だけでなくご本尊さまをおまつりしなくてはなりません。つまりご自身の宗派のご本尊さまをおまつりするのです。仏壇の中の最上段の中央(お寺の伽藍であればここが本堂の須彌壇)にご本尊さま、その脇に宗祖さま等をまつり、二番目に高いところにご先祖の位牌をおまつりいたします。ご本尊さまとご先祖の位牌が揃ってこそ立派な仏壇となるわけです。
現在では住宅事情により仏間を設けない家が増えてきておりますが、たとえ小さな仏壇でもご本尊さまとご先祖をおまつりし心のよりどころとして生活の中心にしていきたいものです。 |
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