桐生仏教会 法話
合 掌
鷹林寺 副住職 大澤謹栄
 私たちは、神仏に礼拝する時や食事を食べる前に合掌する習慣を持っています。神仏に合掌礼拝することは神仏を心から敬い、神仏の教えに帰依しますという気持ちを表すものです。食事を食べる前に合掌することは「土や水、作物を作られている方々、食事を作られている方々、いろいろなことに感謝をすることの一つであり、また平和の象徴でもあるのです。            
このことを思い合掌の仕方は、左右の掌と指をそろえて伸ばし指と指の間も離さず、「キッチリ」と合わせます。「掌を合わせる」は「たなごころ」といい、中国語で手のひらを意味する「手心(てのこころ)」からきていると言われています。つまり、合掌とは手を合わせるだけではなく、心を合わせるということもあり、また「右の掌は神仏」「左の掌は凡夫」を表し、合掌によって神仏と私達が一つになる事でもあるのです。合掌は、古くからインドで行われていた作法の一つであり、インドの方々は「右手は清浄」「左手は不浄」を使いわける習慣があるそうです。インド古くは、紙類等があるわけがないので排便後の下の始末を左手で直接拭くことを行っていました。また、箸やフォーク・ナイフを使うという習慣がないため、食事の際に食べ物を口に運ぶ動作を右手で直接に行っていました。
ここに「右手は清浄」「左手は不浄」という、日常生活からの使い分けができたのです。また、人間の中にある「浄」と「不浄」を超えた、真実の心が現れることを信じていたのです。皆様も心より「合掌」を考えて行っていただければと思います。 
合掌
も ど る
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