桐生仏教会 法話
お布施
祥雲寺 副住職 正和朋徳
 布施とは悟りの境地に至る修行法の一つです。お坊さんにお礼をすることと理解している方が多いと思いますが、それは布施の種類としては財施(ざいせ)といい、文字通り財産を施すことです。それに対し僧侶が説法することを、教え=法を施すということで法施(ほうせ)といいます。さらに、おそれを無くする施しという意味の無畏施(むいせ)があります。これは言葉を補いますと、相手のおそれを取り除き安らぎを与える布施です。 一つ気付いて頂きたいのは、布施の対象となるのは僧侶に限らないということです。誰でも修行としての布施を行うことも受けることも出来るのです。そして大切なのは、布施を行う者も受ける者も、そして施物も、共に清らかであることが求められていることです。見返りを求めた行いは、途端に布施ではなくなるのです。 
さて、施すお金も物も無く教えを説くことも出来ない、そんな私たちの日常の中で実践出来る「無財の七施」と呼ばれる布施を紹介いたします。眼施(がんせ)優しい眼差しで接すること。和顔施(わげんせ)笑顔で接すること。言辞施(ごんじせ)優しい言葉をかけること。身施(しんせ)自分の身体を使って奉仕すること。心施(しんせ)他人の為に心を配ること。牀座施(しょうざせ)座席を譲ること。房舎施(ぼうしゃせ)雨風をしのぐ場所を提供すること。みんなが無財の七施を実践したら、みんなが笑顔でいられる世の中が訪れることでしょう。
も ど る
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