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お墓参り |
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西方寺 副住職 天利保永 |
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仏教におけるお墓とは、お釈迦様のお骨(仏舎利)を、塔を建ててお祀りし生前同様に敬い礼拝したのが始まりとされ、残された人々の生きる拠り所となるように願いが込められたものでした。
私達にとっても、ご先祖や世話になった人のお骨を納めたお墓は、故人との縁を最も身近に感じられる場所であり、お参りすることで常に心の支えになってくれます。
ですから、お盆・彼岸・年末年始・月命日以外でも、心に想いが起こった時はいつでもお参りしてください。嬉しい事の報告や、悩み事の告白、用事で近くまで来た時などでも良いのです。急な場合、供物など準備できなくても手を合わせるだけでもずいぶん気持ちが落ち着きます。
お墓参りの仕方に特に決まりはありません。何より「居ますが如く」と真心を込めてお参りすることが大切です。また、ご本尊へのお参りはもちろん、無縁仏へのお参り、墓地入り口などで多くのお墓に黙祷など捧げてから、目的のお墓へ向かうようにしましょう。 |
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お墓に着いたら、まず全体的に掃除をします。余裕があれば周辺の通路なども行いましょう。終わったら花・供物・水を供えて線香を献じ合掌礼拝します。お参りが済んだら供物は烏等が散らかすので、その場で頂くか持ち帰りましょう。ゴミなども出来る範囲で持ち帰るように心がけましょう。
私達は、ご先祖から代々受け継がれてきた命を授かり、様々な縁によって生かされております。そのことに感謝し手を合わせ、人として健やかに生きることがお誓いできれば、先人たちへの最大の報恩となるでしょう。 |
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