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お香、供花、灯明 |
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西極寺 住職 西出 喜則 |
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私たちは、お参りする時、仏前にあらゆるものをお供えします。その中でもっとも大切なものが三つあります。それは、お香・供花・灯明です。古くから仏様には生きているものを備えるという風習があります。お香の香りや煙、蝋燭の灯りはみな生きています。 |
お香には「香十徳」というお香の徳を伝えた言葉があります。(心身を清浄にする、汚れを除く、目覚めが良くなるなど。)
また、香りをかぐことによって清らかな浄土を想い、差別することなく行き渡るお香の香りから、如来の分け隔てなく注がれている慈悲の心に触れることができるという意味があります。
供花は、仏様の方を向かず私たちの方を向いています。花により、綺麗に飾られた仏様に向き合う時、自然に浄土を想い、私たちの心は清浄になります。仏前に供える花として、棘のある花、匂いの強い花、自立できない花(つるのあるもの)は相応しくないとされています。 |
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灯明は、私たち人間の闇を照らす仏様の智慧の光を意味しています。(仏様の自灯明、法灯明の教えによる。)お寺や仏壇の飾りのことを荘厳といいますが、綺麗に荘厳された場所でお参りする時、より浄土を感じ、亡き方を偲ぶ為に先の三つは欠かせないのではないでしょうか。
私たちは、普段から出来るだけ綺麗な花を活け、明かりをつけ、良い香りに包まれながらお参りをしたいものです。 |
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